8.フッ素なしでもむし歯は減少


世界的にもむし歯は減少している。

 世界的に水道水のフッ素添加国が減ってきているのは、添加による斑状歯や事故、その他の病気の出現だけではありません。
 添加を行っていない他地域とむし歯の減少が同じという統計がたくさん出てきたことによります。最近ではニュージーランドの大がかりな調査が示しました。何よりも98%実施していないヨーロッパが同じようにむし歯数が減少していることも如実に示しています。


日本でもこの10年間でむし歯は半減!

 日本の推進グループは「世界の先進国に比べて日本の子どもはむし歯が多い」と宣伝し、その理由を「国がフッ素を上手に使っているかどうかだ」と指摘し、フッ素推進の大きな宣伝理由にしています。

 ところが九州歯科大学教授の竹原直道先生が『歯科評論』No638で次のように述べています。
@日本のう蝕(むし歯)罹患状況は特殊でも何でもなく、欧米先進国と同じパターン。
A日本のう蝕のピークは欧米諸国より高いとはいえない。むしろ低いと思える。
BWHOの口腔医療関係者の今後のあり方に関する小委員会から発表されたように、う蝕のピークが日本と欧米とで20年程度の時差があるということで、減少しているパターンは同じパターン。世界の例外ではない

と、述べています。

 日本の実態でも全くフッ素を使わずにむし歯を3分の1に減少させた歯科医師の10年間の取り組みが本として出版されたりしています。

 保健婦(当時の職名)さんが9年間で72%のむし歯を33%まで減少した例もあります。

 2008年日本学校歯科医会は10の小学校を「第47回全日本学校歯科保健優良校」に選びました。
 フッ素洗口実施は9校中1校のみでした。


むし歯数成績はフッ化物洗口に関係なし

 新潟県がむし歯最小県であるのはフッ素洗口をしているからと推進の理由にする歯科医や議員がいます。最小という事実はそうですが、理由は基本的に間違っています。これは地元歯科医や多くの専門家も指摘しています。それは減少パターンが全国と殆ど一致しているからです。推進学者の言うフッ素による効果が30%から80%ということからすると急激にパターンが下がらないといけません。30%としてもその分の傾斜が出てくるのが統計上の常識だからです。

 むし歯が少ない全国2位の広島県と4位の東京は殆どフッ素洗口をしていません。広島が1841人、東京都は235人が洗口人数です。ですから説明がつきません。しかも、5歳児から10歳までの罹患率では新潟の方が東京より悪いのです。5歳児のむし歯率も東京や広島の方が新潟より低くなっています。

  新潟のむし歯数が少ないのは新潟の推進歯科医師が成果を上げるために、必死になってむし歯予防に努めたからです。それと推進派に対応する形で危険性を指摘する市民活動も全国一なので市民のむし歯予防に関する関心が非常に高いからだと言えます。即ち、歯磨きの励行や磨き方、保護者への啓発、砂糖の取り方などが影響したからです。
 
 欧米との比較も重要です。西欧と日本の減少パターンは同じなのです。アメリカの減少パターンともほぼ同じという結果です。西欧は水道水フッ素化実施なし、アメリカは高い水道水フッ素化。日本は水道水に添加なし。どこもここもパターンは同じなのです。日本ではこの10年間でむし歯数が半減してきているのです。
 
 国際的な権威ある医療評価機関コクラン・レビューでは、洗口の効果は「事実上ない」としています。日本の推進学者の論文は医学的に問題があり、一つも採用されずにいます。国際的に通用しないのです。