7.フッ素洗口推進は多数派でない

        〜水道水のフッ素添加からみる世界の趨勢と
                      日本のフッ素洗口の実情〜


 フッ素洗口を推進しようとしている歯科医師会や歯科医師のパンフレットやホームページでは、フッ素利用国が世界の趨勢で、日本だけが立ち後れているようなことを記述しています。


誇大に見積もられた「フッ素実施国」数

 しかし、その内実は誇大に見積もられています。推進歯科医が利用国数を100か国以上いう場合は水道水フッ素添加や歯磨き剤、歯にフッ素塗布など全てを入れています。
また、実施されている国の場合であっても、その国のわずか一部地域であったり、中止した場合も含めている場合があることがわかりました。実施国でも徐々に反対が起こり海外からの情報が入るようになって発覚しました。一部地域の実施でも実施しているというのですから、聞き手(議員や住民、保護者)はその国全体と思うのが聞き手の常識です。


アメリカでは・・・

 私たちは歯磨き剤へのフッ素添加の危険性や歯へのフッ素塗布の危険性も警告していますが、水道水にフッ素を添加していることや、集団でのフッ化物洗口を大きな問題としているのです。それは選択の余地がないからです。よく引き合いに出されるアメリカでも水道水フッ素添加は約60%前後で、やられていない州もあるのです。近年は10以上の都市で中止されました。
 また、危険を知っている市民や裕福層はペットボトル入りの水を飲んでいるということも常識になっています。そしてアメリカを引き合いに出すとき未就学児童や子どもたちの集団的フッ素洗口は、水道フッ素化地域では行われていないという事実です。


オーストラリアでは・・・

 水道フッ素化しているオーストラリアではフッ素化水道水と含まない水を選択できるようにフィルターを製造しなければならないとされています。


ヨーロッパでは・・・

ヨーロッパの殆どの国はしてません。旧東ドイツも合併後中止しました。イギリスでは実施しないことを議会決議している場合もあります(スコットランド)。リベラル派は政権が変わったら中止するといってます。
ヨーロッパのフッ素化反対国(非実施)を紹介します。
 ドイツ。フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フィンランド、北アイルランド、オーストリア、チェコ、スイス、アイスランド、イタリア、ポルトガルなどです。

カナダでも・・・

昨年はカナダで四地区がフッ素化を中止しました。それはトロント大学予防歯科のハーディ・ライムバック教授(カナダ歯科医学会会長でフッ素推進派の総帥)が真摯な自己批判をし、学生や同僚教官の前で謝罪し、姿勢を180度転換したからです。


アジアでも・・・

中国広州市がかなり前に中止
韓国も近年4都市が中止


そして日本でも・・・

日本のフッ素洗口の実情 (08年公表された日F会議資料より)


 

洗 口 施 設 数

全国

保育所

幼稚園

幼保合計

小学校

中学校

その他

合 計

総数

22,720

13,723

36,443

22,693

10,987

1,013

71,136

施設数

3,152

897

4,049

2,053

300

31

6,433

実施率

13.9

6.5

11.1

9.1

2.7

3.1

9.0

 

洗  口  人  数

全国

保育所

幼稚園

幼保合計

小学校

中学

その他

合 計

総数

1,163,124

1,276,474

2,439,598

7,132,874

3,624,113

59,481

13,256,068

人数

110,741

59,436

170,177

447,579

54,794

1,591

674,141

実施率

9.5

4.7

7.0

6.3

1.5

2.7

5.1
















 これを見てもわかるように施設数でも全国の9%対象者人数でも5.1%にしか過ぎません。
6433施設67万人というと大半かと錯覚する人が多くいます。実施に熱心な推進歯科医がいるところに集中しているのです。
 どうしても未実施の地域住民は問題意識が薄く、実施地域でもその地域住民の家族に対象の子どもがいなければ関心が薄くなります。従って、推進派が動くだけ徐々に拡大してきているのです。